9.1 HTML5とは

最初のHTML1.0が開発されたのが1993年、それからバージョンアップを重ね、1999年12月にバージョンアップされたHTML4.01が昨今までホームページを作る言語としてWEBを支えてきました。

そして、2014年10月28日にHTML5が勧告された際に、従来の仕様から大幅に改善・変更され、より直感的にWEBページを組み立てられるような仕様となりました。2019年5月28日にHTML5からHTML Living Standardに切り替わったものの、大きな記載ルール・仕様の違いは無いので、本項ではHTML5での変更点について紹介します。

1. どんなデバイスでも再生出来る動画や音声データを埋め込める

これまでのHTMLでは、動画を扱うには「Flash」を使っていました。しかしHTML5では、動画や音声データをHTMLから扱えるようになります。
新しく追加される<video>や<audio>を使用し、動画や音声をシンプルに扱えるようになります。

2. アプリケーションが構築しやすい

HTML5以降は、高度な機能を実現するための様々なAPIが新たに追加されています。APIとは、Application Programming Interfaceの頭文字を取ったもので、 アプリケーションをプログラミングする際の決まりごとです。つまり、何らかの機能を実現する際に指定する命令や関数の記述ルールを定めたものです。新しく加わった主な機能として以下のものが挙げられます。

  • ドラッグ&ドロップ機能
  • ファイル操作
  • 履歴操作

それぞれのAPIで定められた命令や関数を指定すれば、 簡潔な記述でこれらの機能を実現することが出来ます。HTML5以降はこれらのAPIを利用することで、
単にHTML文書を作成するだけではなく、 より高度な機能を持ったWEBアプリケーションをWEB標準として構築することが可能になります。

3.より明確に文書構造を示すことが出来る

今まではHTMLでWEBページを構築すると、<div>タグで文章が埋め尽くされてしまいました。
HTML5以降は、文書構造を表す新しい要素が加わることで、ブラウザや検索エンジンに対してより明確に文書構造を伝えられるようになります。代表的なタグを以下に示します。

article … 記事の部分

aside … 関連リンクなど

figure … 画像や映像などを範囲設定をする

footer … 文書のフッター部分で、作者情報や著作権などを書くことが可能

header … 文書のヘッダー部分

hgroup … 見出しタグをグルーピングする場合に使用する

nav … ナビゲーション

section … 文書のそれぞれの要素を囲む

これらを利用することで、それぞれの役割に応じて適切な要素に割り当てることが出来るようになります。